[14th SpRUC Young Scientist Award受賞 研究報告]
時分割in situ X 線回折測定を用いたゲート型吸着剤の構造転移速度解析
Kinetic Analysis of Adsorption-Induced Structural Transitions in Flexible Metal–Organic Frameworks by Time-Resolved in situ X-ray Diffraction
執筆者情報
所属機関 Affiliation
京都大学大学院 工学研究科 化学工学専攻
Department of Chemical Engineering, Kyoto University
抄録/Abstract
柔軟な骨格を持つゲート型吸着剤は、CO2 分離プロセスへの応用が期待されるが、その特異な吸着の速度論は未解明であった。本研究では、時分割in situ X 線回折測定と化学工学的な速度解析を組み合わせ、ゲート吸着の素過程解明に取り組んだ。その結果、代表的なELM-11の吸着は「自触媒反応」様の速度式で記述できることを発見した。さらに、この速度論が骨格構造に強く依存し、材料ごとに異なる反応次数に従うことも明らかにした。本アプローチは、吸着剤の動的挙動の理解を深化させ、実用的な分離プロセスの精密設計に貢献するものである。
本文
京都大学大学院工学研究科 化学工学専攻 平 出 翔 太 郎 [14th SpRUC Young Scientist Award 受賞 研究報告] 時分割 in situ X 線回折測定を用いたゲー ト型吸着剤の構造転移速度解析 Abstract 柔軟な骨格を持つゲート型吸着剤は、 CO 2 分離プロセスへの応用が期待されるが、その特異な吸着の速度論 は未解明であった。本研究では、時分割 in situ X 線回折測定と化学工学的な速度解析を組み合わせ、ゲート吸 着の素過程解明に取り組んだ。その結果、代表的な ELM-11 の吸着は「自触媒反応」様の速度式で記述できる ことを発見した。さらに、この速度論が骨格構造に強く依存し、材料ごとに異なる反応次数に従うことも明ら かにした。本アプローチは、吸着剤の動的挙動の理解を深化させ、実用的な分離プロセスの精密設計に貢献す るものである。 1.はじめに 国際エネルギー機関( IEA )によると、 2050 年 までに正味の CO 2 排出量ゼロを実現するためには、 2035 年には 40 億トン / 年、 2050 年には 76 億トン / 年 もの CO 2 分離回収が必要とされている [1] 。現在稼働 している世界最大の CO 2 回収プラント(吸収法)で さえ、処理能力は 160 万トン / 年程度であることを 踏まえると、これは極めて厳しい目標である。この 難題を解決するためには、 CO 2 分離プロセスの飛躍 的な効率化が不可欠であり、吸収・膜・吸着の各分 野において技術開発が急ピッチで進められている。 吸着分野では、多孔性配位錯体( Metal–Organic Framework: MOF )が有する細孔設計性の高さに着 目した研究が多く報告されており、例えば、 CO 2 吸 着に有利な官能基を修飾することによる機能向上な どが試みられている [2] 。しかし、既存材料の改良と いう方針では、革新的な成果には繋がりにくい。そ こで筆者らは、 MOF の中でも柔軟な骨格構造を持 ち、従来の吸着剤とは全く異なる挙動を示すソフト 多孔性錯体 ( Flexible MOF ) に着目してきた。例えば、 代 表 的 な Flexible MOF で あ る ELM-11 ( Cu ( BF 4 ) 2 ( bpy ) 2 ; bpy = 4,4 ’ -bipyridine ) [3] は、真空下では層状 の骨格が密に積層した構造( closed 構造)を形成す るが、 CO 2 濃度の上昇に伴い、積層間隔を広げて CO 2 分子を取り込む( open 構造) 。この変化はある 閾圧を境に急激に(一次相転移的に)生じるため、 結果として S 字状の吸着等温線が得られる( 図 1 ) 。 この「ゲート吸着」と呼ばれる現象は工業的価値が 高く、構造柔軟性に帰する高い分子認識能や、僅か な圧力操作による吸着成分の脱着・回収、さらには 構造変形の吸熱作用による自己熱補償能 [4] といった 利点が認められている。実際、従来の I 型吸着剤を 「ゲート型吸着剤」に置き換えることで、圧力スイ ング吸着分離プロセスが飛躍的に高効率化される試 算結果も得られており [5] 、実用化に向けてのより詳 細なプロセス検討が求められている。 以上の背景のもと、筆者らはゲート型吸着剤の中 規模合成技術 [6] や賦形手法の確立 [7] 、ならびにゲー ト型吸着等温線の理論式導出 [8] など、実用化に向け た課題解決に取り組んできた。その中でも、特に重 要な課題であったのは、本稿で紹介するゲート吸着 図 1 ゲート吸着の概念図 220 SPring-8/SACLA/NanoTerasu Information /Vol.1 No.3 DECEMBER 2025 FROM LATEST RESEARCH 挙動の速度論的な理解 [5,9] である。通常、物理吸着 であれば、固体表面へのガス分子の吸着は十分に速 く、細孔内でのガス拡散が吸着の律速段階となる。 一方で、ゲート型吸着剤では、ガス分子の取り込み と細孔形成が同時に進行するため、 Fick の拡散方程 式に基づく従来の吸着速度論は成立しないと考えら れる。そこで筆者らは、ガス吸着と構造変形の同時 性に着目し、時分割 in situ X 線回折( Time-resolved in situ X-ray diffraction; TRXRD )測定 [10,11] による構 造転移速度解析からゲート吸着の速度論構築を試み、 以下の知見を得たので報告する。 2.瞬間昇圧条件における測定 [5] まず筆者らが取り組んだのは、環境 CO 2 圧力を ステップ状に変化させた際の ELM-11 の構造転移を 追跡することである。測定は BL02B2 に設置され た大型デバイシェラー光学系と多連装 1 次元検出器 MYTHEN を用いて行った。試料は内径 0.3 mm の ガラスキャピラリの先端に封入し、ガス導入ライン に接続した。所定の真空加熱処理を施した後、 N 2 ブロワーで測定温度に制御し、 1 秒間の X 線露光を 連続的に行った。測定開始から 4 秒後に、真空状態 に保たれた試料へ CO 2 ガスを導入し、構造変化を追 跡した。 典型的な TRXRD 測定結果を 図 2 に示す。 CO ₂ ガ ス導入直後、 closed 構造に由来するピーク強度が低 下するとともに open 構造のピークが出現し、構造 転移は約 10 秒で完了することが確認された。そこ で、 open 構造の 002 反射( 6.1 ° )について、各時刻 におけるピーク強度を転移完了時の強度で規格化し た値を構造転移率αと定義し、種々の温度および圧 力で測定結果を解析した( 図 3 ) 。同一 CO 2 圧力下 では温度が低いほど、また、同一温度では CO 2 圧力 が高いほど構造転移速度が増加することが明らかに なった。特に、最も高いガス圧力下では、構造転移 が数秒以内に完了した。 相転移の時間発展を議論する際には、一般に、以 下の Kolmogorov-Johnson-Mehl-Avrami ( KJMA ) 式 [12] が用いられる。 α= 1 - exp (- k t n ) (1) ここで、 k は速度定数、 t は時間、 n は相転移の次元 性を示す Avrami 指数である。実際、 図 3 の各測定 図 2 ELM- 11 の CO 2 ゲート吸着に対する TRXRD 測定結果( 273 K ) : ( a ) open 構造( CO 2 吸着時の ELM- 11 )の XRD パターン、 ( b ) open 構造、 ( c ) TRXRD における強度カラーマップ、 ( d )圧力トレンド、 ( e ) closed 構造(真空 下における ELM- 11 )の XRD パターン、 ( f ) closed 構造 SPring-8/SACLA/NanoTerasu 利用者情報/Vol.1 No.3 (2025 年12 月号) 221 最近の研究から 結果を KJMA 式でフィッティングすると、実線で 示す通り良好に再現できた。ここで、 Avrami 指数 n はどの条件でも 1.2 ‒ 1.3 の値となったのに対し、速 度定数 k は CO 2 圧力 P とゲート吸着圧 P gate との差圧 で整理できることがわかった。 k = k 0 ( P - P gate ) (2) こ こ で、 k 0 = 12.0 ± 0.5 s ‒ 1/ n MPa ‒ 1 で あ る。 例 え ば、 この関係式を用いると、埋立地ガス( CO 2 と CH 4 の 等モル混合ガス)の分離プロセスを想定した条件下 ( 298 K 、 CO 2 分 圧 250 kPa ) で は、 ELM-11 が 95% 構造転移するのに要する時間はわずか 1.5 秒であり、 驚異的な速度で吸着することが示された。 3.定速昇圧条件における測定 [9] 瞬間昇圧測定から得られた結果は、 ELM-11 の迅 速な吸着特性を知る上で重要である一方で、その 解析に伝統的な KJMA 式を用いた点には以下の懸 念が残る。第一に、 KJMA 式は相 A 中に相 B の核が 確率論的に発生し、それが一定の線速度で成長して いく過程をモデル化したものである。これに対し ゲート吸着は、ガス分子の取り込みをトリガーとす る相転移であり、細孔を持たない closed 構造の内部 に突如として open 構造の核が発生することは考え にくい。また、工学的観点では、時間 t に対して実 数指数を含む KJMA 式は扱いづらい。もし現象を 本質的に捉えられているのであれば、構造転移速度 d α /d t は t を含まない関数としてモデル化できるはず である。そこで筆者らは、化学工学的な反応速度解 析の手法を取り入れることで、ゲート吸着速度のよ り詳細な解析に取り組んだ。 実 験 の セ ッ ト ア ッ プ は、 検 出 器( Flat panel detector ) や露光時間 ( 0.5 s ) などに変更はあるものの、 基本的には瞬間昇圧測定と同様である。最大の差異 は、 CO 2 ガスをステップ状ではなく、一定の昇圧速 度 v p で供給した点である。 図 4a は、種々の v p に対 する結果を、圧力を横軸としてまとめたものであり、 どの条件でも、測定温度 248 K におけるゲート吸着 圧(約 10 kPa )付近から構造転移が進行する一方で、 v p が大きくなるほど立ち上がりが高圧にシフトする 結果となった。このグラフから、各構造転移率αに おける圧力 P と d α /d t (= v p ・ d α /d P )の関係を解析 すると、 d α /dt は、切片と傾きがαの関数となる P の一次式で表現できることがわかり、関数の同定を 進めると最終的に次式が得られた。 図 3 ( a ) P = 41 kPa における各温度での構造転移率の変化、 ( b ) T = 227 K における各圧力での構造転移率の変化、 ( c )速度定数 k の差圧依存性 図 4 ELM- 11 の CO 2 ゲート吸着( 248 K )における ( a ) 構造転移速度と ( b ) 想定される CO 2 拡散パス 222 SPring-8/SACLA/NanoTerasu Information /Vol.1 No.3 DECEMBER 2025 FROM LATEST RESEARCH d α d t = ( k 1 α + k 2 ) ( 1 - α ) ( P - P gate ) (3) ここで、 k 1 と k 2 は速度定数である。実際に同式を実 験結果にフィッティングしたところ、 図 4a の実線 で示すように k 1 = 0.075 kPa ‒ 1 s ‒ 1 、 k 2 = 0.014 kPa ‒ 1 s ‒ 1 で良好な一致が得られた。 一般に、化学反応のメカニズムと速度式は一対一 に対応する。これを踏まえると、得られた速度式か らゲート吸着の構造転移メカニズムを考察できるは ずである。 式(3) は、未転移率( 1 - α )の項に加え、 転移率αが転移を加速させる項( k 1 α )を含んでい る。これは、 ELM-11 の CO 2 吸着が自触媒反応のよ うに進行することを示唆する。ここで、 ELM-11 の 骨格構造は、銅とビピリジンからなる網目状のレイ ヤーが積層した構造をしており、 CO 2 の侵入経路と しては網目を通る層垂直方向のパス A と、層間を押 し広げる層水平方向のパス B が候補となる( 図 4b ) 。 両者の最も大きな差異は、パス A では結晶表面層か ら中心部へ順番に転移が伝播しなければならない一 方で、パス B では結晶中程の層からも転移が可能と いう点である。すなわち、これまで結晶学的にはパ ス A が主な拡散経路であると予想されていた [13] が、 構造転移速度が未転移率に依存する事実は、むしろ パス B を主な経路であることを支持する。ここで重 要なのは、主要な拡散経路がパス B であっても、パ ス A も依然として有効だということである。すな わち、 open 構造となった層から CO 2 がパス A を通 じて隣接層に移動することで、その層の転移を誘発 するという描像が考えられ、これが自触媒反応様の 式形に寄与していると推察される。なお、自触媒 反応式と KJMA 式は関数形状に高い類似性を持つ ことが指摘されており [14] 、瞬間昇圧測定において KJMA 式が良好な一致を与えた結果とも矛盾しない。 以上の考察は、 ELM-11 の特異な骨格構造ゆえに 図 5 ELM- 11 、 MIL- 53 ( Al ) および CuFB における TRXRD 測定結果と予想される構造転移メカニズムの概念図 SPring-8/SACLA/NanoTerasu 利用者情報/Vol.1 No.3 (2025 年12 月号) 223 最近の研究から 自触媒反応モデルで記述できたことを意味しており、 ELM-11 と骨格構造が全く異なるゲート型吸着剤で は、構造転移速度の関数形もまた異なる可能性を示 唆している。そこで、さらに 2 種のゲート型吸着剤 ( MIL-53 ( Al ) ( Al ( OH ) ( 1,4-benzendicarboxylate ) ) および CuFB ( Cu ( fumarate ) ( trans-bis ( 4-pyridyl ) ethylene ) 0.5 ) ) に つ い て 同 解 析 を 実 施 し た と こ ろ、 MIL-53 ( Al )は一次反応、 d α d t = k 3 ( 1 - α ) ( P - P gate ) (4) CuFB はゼロ次反応、 d α d t = k 4 ( P - P gate ) (5) で記述されることが明らかとなった( k 3 , k 4 :速度 定数) ( 図 5 ) 。これらの速度式もまた、それぞれの 骨格構造から予想される構造転移メカニズムとよく 一致している。 4.おわりに 本稿では、次世代の CO 2 分離材料として期待され るゲート型吸着剤について、その特異な吸着挙動の 速度論的解明を目的とし、時分割 in situ X 線回折測 定を用いた構造転移速度解析に取り組んだ結果を報 告した。まず、代表的なゲート型吸着剤 ELM-11 は、 CO 2 ガスとの接触により数秒から十数秒という極め て短い時間で構造転移(ゲート吸着)を完了させる ことを見出した。この迅速な吸着特性は、従来の KJMA 式で一見よく表現できたものの、同式はゲー ト吸着の物理描像と合致しないという課題があった。 そこで、化学工学的な速度論解析手法を導入した 定速昇圧測定を考案し、 ELM-11 の構造転移速度は、 転移した構造がさらなる転移を促進する「自触媒反 応」様の速度式で厳密に記述できることを初めて明 らかにした。この特異なメカニズムは、 ELM-11 が 有する層状の骨格構造に起因すると考えられる。さ らに、骨格構造の異なる MIL-53 ( Al )や CuFB では、 それぞれ一次反応およびゼロ次反応といった異なる 速度式に従うことが判明し、ゲート吸着の速度論が 吸着剤の骨格構造に強く依存することを突き止めた。 本研究で確立したアプローチの成功は、 SPring-8 が提供する最先端の測定技術と、それを活用するた めの開かれた環境に支えられている。 TRXRD はダ イナミクスの解明ツールとしてだけでなく、圧力全 域を掃引する効率的なスクリーニングツールとして も極めて有用であり、事実、これまでの point-by- point な in situ XRD 測定では見落とされていた中間 構造の発見にも貢献している [15] 。本研究で得られ た簡潔な速度式は、今後のプロセスシミュレーショ ンへの応用が期待され、プロセス開発の加速に繋が るものである。 SPring-8 では、本研究で活用したよ うな先端測定が分野を問わず誰もが実施できる環境 が整えられている。本稿が、読者それぞれの研究分 野において、 TRXRD の測定および解析を行う際の 一助となれば幸いである。 謝辞 本研究を進めるにあたり、ご指導ご鞭撻賜りまし た故 宮原稔先生、田中秀樹先生、渡邉哲先生に心 より感謝申し上げます。また、本成果はビームライ ン担当者の河口彰吾博士および小林慎太郎博士によ る多大なるお力添えなくしては、決して成し遂げ られませんでした。この場を借りて厚く御礼申し 上げます。本研究における実験データは、 SPring-8 利用研究課題(課題番号: 2017B1210 、 2018A1082 、 2018B1539 、 2019B1290 、 2020A1666 、 2021A1588 、 2021B1526 、 2021B1792 、 2022A1755 、 2022B0555 、 2022B1578 、 2022B1892 、 2023A1696 、 2023A1701 、 2023B1574 、 2023B1863 、 2024A1911 ) と し て BL02B2 および BL13XU で測定されたものであり、 多くの学生諸氏の献身的な協力によって支えられま した。特に、本研究を主体的に推進した坂中勇太 博士、菅原伊織君、植松源君には深く感謝致しま す。また、本研究は科学研究費助成事業 (課題番号 : 22H01848 、 25K01562 )の支援を受けて実施されま した。 参考文献 [ 1 ] IEA (2021), Net Zero by 2050, IEA, Paris. https://www.iea.org/reports/net-zero-by-2050 [ 2 ] S. 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